3人に2人は、乳がん検診を受けないという事実

 

様々な啓蒙活動や芸能人の乳がんの告白によって、以前よりは注目度が少し高まっている乳がん

 

外来をやっていると、

「最近、乳がん流行ってるじゃないですかー」と言われることがよくある。

たしかに乳がんにかかる人が増えているのは確かだが、最近たまたまテレビで取り上げられているだけで、乳がんはインフルエンザや手足口病のような流行り病ではない。

今も昔も、この病気と闘っている人、闘った人はいるのだ。

仮にテレビで取り上げられなくなったとしても、今も昔もこれからも乳がんのリスクはあることは忘れないで欲しい(笑。

 

3人に2人は、乳がん検診を受けていない

下のグラフは、年齢別の日本人の検診受診率。

なんと3人に2人は検診すら受診していない。

意識が低いのかもしれないし、もしかすると気にはしているが、受診することに様々な障壁があるのかもしれない。

海外では70%以上が受診する国も多く見られる。

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参照:日本医師会HP

 

検診を受けず、自己触診で見つける場合もよくある。もちろんセルフチェックはして欲しいが、やはりより早期で見つけることができるのは検診。

私たちも、できるだけ辛い治療は薦めたくない。発見が遅れれば、ステージが進み、抗がん剤が必要になる可能性も高まる。あまり辛い治療を強いらなくてもよい状態でもっと見つけたいのだ。

私たちがどんなに早期発見にヤケになっても、みなさんに検診や病院に足を運んでもらえなければ、私たちはどうしようもない。

だから、啓蒙活動を続けなくてはならない。

 

自覚症状がないからこそ、検診を

私は予てから、乳がん検診をはじめとした検診は個人の病気発症リスクに合わせた検診を行うべきだと考えてきた。

ただこれも、国民みんなが検診を受けて、チェックをすることが当たり前と思ってもらえないと何の意味もなさない。意識の高い34%の人により適切な検診を提供するべきだけど、それよりも残りの66%の人に検診を受診してもらうことの方が今は大切なのかもしれない。

 

「健康には気を使っているから、検診は受けなくて大丈夫」 

「昔から身体は丈夫だから、私は乳がんにはならない」

「なんの自覚症状もないから、私は心配ない」

 

こんなよくある言い訳は、まったく検診を受けない理由にはならないのでご注意を。

もし周囲に乳がんのお知り合いがいる方がいるとしたら、その人は絵に描いた不健康そうな人であろうか?

決してそんなことはない。

 

検診は、自覚症状があってから受けるものではない。

自覚症状があったら、病院を受診して欲しい。色んなことが後手にまわってしまう。

もともと検診は、自覚症状がない段階でみつけるもの。

これは忘れないで欲しい。