乳房の痛みや違和感は、乳がんと関係がありますか?

A. 基本的に、乳房の痛みは乳がんとは関係ありません。

 

「乳房に痛みがあって心配です」

「ここら辺に違和感があります」

と言って日々多くの方がやってきます。

基本的に、乳がんは乳房痛の原因となることはほとんどありません。

 

乳がんのしこりは、触っても痛くありません。

 

もし、その痛いところが熱っぽかったり、赤く腫れていたりする場合は、乳がんではなく、感染を起こしたり、炎症を起こしているかもしれません。それはそれで、病院で相談していただくのが正解です。

 

じゃあ、痛みや違和感の正体は?

実は、はっきりとした原因はわかっていません

わかっていないからこそ、これといって良い対処方法がないのも事実です。痛みが辛いようでしたら、痛み止めを飲むぐらいです。

実際かなり多くの方が、乳房の痛みや違和感を自覚されます。これが全員乳がんだったら、えらいことです。

乳腺は生理周期によって、発達したり萎縮したりします。その過程でできた傷によって、痛みがでることがあります。そのような変化が強く出る方は、乳腺症と言われたりしますが、特段気にすることはありません。

生理の終わった閉経後の方でも、よく乳房痛が出現することはあります。これも原因はわかっていませんが、年齢とともに乳腺組織が退縮するに伴ってそのような自覚症状がでるのではないかと思われます。

いずれにせよ、乳がんとは関係がありません。

特に、両側やいろいろな場所に症状がでている場合はまずもって乳がんとは関係がありません。

 

実は、乳がんと診断されるとかなりの方が、その部位に痛みや違和感を感じはじめます。これは何かがんが悪くなったからではありません。意識が向くとそのように感じるようになるようです。

人間って不思議です。

 

しこりを触れる場合は痛みあるなしは関係なしでちゃんと調べましょう

もちろん、この話には例外はあります。

中には痛みを伴う乳がんもあります。

ただし、触ってみて、何かしこりを触れるような場合はその限りではありません。

なかなかご自身で判断がつかないこともあるでしょう。

迷う時は、一度乳腺専門のクリニックなどを受診してチェックをしましょう。

それで異常がなければ、その痛みや違和感は心配する必要がないものです。